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春節:食品高騰の影響

アジア各国で、食費の高騰が春節(旧暦の正月)の祝宴に打撃

アジアでは西暦の正月(1月1日)より陰暦の正月を祝う国が多く、中国(香港、マカオも含む)、台湾、大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ブルネイ、モンゴルなどの国、地域で旧正月前後が国民の休日とされています。その呼び方も、中国では春節、韓国ではソルラル(설날)、ベトナムではテトなどと、国によって違います。祝い方も様々なようですが、一般的に豊穣を祝う祭日であるのはどこも同じです。


パンデミックから3年が経過し、パンデミックによるサプライチェーンの制約、作物を壊滅させた悪天候、エネルギー価格の高騰が肥料代にも影響し、食料価格は世界中で高騰しています。


国連食糧農業機関の食料価格指数は昨年10年ぶりの高水準に達し、世界食糧計画では、世界で2億7200万人が深刻な食料不足に陥る恐れがあると推定しています。This Week in Asiaでは、シンガポールからタイまでの華人家庭が、祭りの中でどのように食費を軽減しようとしているのか、地域のさまざまな市場を見ていきます。


マレーシア

パンデミック以前は、マレーシアの7人家族なら700リンギット(約19,000円)で旧正月の団欒の夕食をまかなえた家族が、今年は3割増し以上の出費を強いられることになりました。「昨年はキャベツ1個が4.50リンギット(約123円)でしたが今は2倍、寅年のお祝いは質素なものになった」と、食卓で最も安い食材である野菜を買うのでさえコストがかかりすぎると言われています。

2020年にパンデミックが発生して以来、食料の価格が高騰し続けているため、マレーシア全土で何百万人もの人々がこのピンチを感じています。食料品に記録的な金額を支払わなければならない状況です。

コスト削減のため、例年の飾りを再利用し、服も新しいものを買わずにすでに持っているものを着て、今年は家の中に新しいものを一切購入しない、今年はゲストを招待しないので、新年のお菓子の量は半分になる、などという家庭も多いようです。

節約のため、またオミクロンウイルスが広がり続けているため、人混みを避けるために買い物を控えるという声も聞かれます。

マレーシアでは、12月中旬にモンスーンによる洪水が発生し、国内のサプライチェーンに大きな影響が及びました。

シンガポール

400万人の国民と永住権保持者の4分の3近くが中華系であるシンガポールでは、旧正月シーズンになると鮮魚など一部の食料品の価格が上昇します。しかし、今年は季節的な値上げと食品インフレの二重苦に見舞われています。

業者は値上げの理由をパンデミックに求め、在庫の確保が困難であると言っています。あるスーパーで以前は5個で2.45ドル(約208円)だったオレンジが、今は2.95ドル(約251円)になっています。

パンデミック前に比べ、今年の旧正月は10〜15%の値上がりと推定されているが、人気の鮮魚の価格が11月に比べ2倍になったと地元の新聞で報じられています。


シンガポールの消費者物価指数は、2020年と比較して12月に4%上昇しました。その中央銀行は先週、インフレリスクを軽減するため、金融政策のオフサイクル引き締めをサプライズで実施した。貿易相はまた、さらなる食品価格の上昇を警告し、政府は価格競争力を維持し、供給の弾力性を強化するために輸入先を多様化させると述べています。

シンガポールの次期予算には、コストを相殺するためのバウチャーや税金の払い戻しなど、食品インフレに対処する意味の措置が含まれると予想されています。

インドネシア

スマトラ島に近いインドネシアのバンカ・ビリトン諸島の州都では、ほんの数カ月前2リットルあたり約3万ルピアだった食用油の価格が約5万ルピア(約400円)に上昇しています。

調理用ガスとして使われる12kgのLPGも1本あたり約15万ルピアから約18万5000ルピアに値上がりし、卵は1400ルピアから2200ルピアになったそうです。

東南アジア最大の経済大国であるインドネシアでは、昨年の第3四半期に3.51%の成長率を記録し、インドネシア統計局は昨年のインフレ率を1.87%と記録しています。

このインフレは、旧正月のお祭りに水を差すことになりました。物価の高騰を克服するための援助を政府がしてくれることが期待されています。

しかし、インドネシアでオミクロンの患者が急増したため、多くの家庭で2年連続で旧正月の大晦日の夕食を家で過ごすことになりました。


総症例数は430万人以上、コロナウイルス関連の死亡者数は14万4000人で、インドネシアは東南アジアで最もパンデミックの影響を受けている国です。


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